珊瑚大好き!つくしの日記帳

ミドリイシについてあーでもないこーでもないと考え込んでいきます。

面白い記事、見つけました。

こんばんは、つくしです。

またもやカルシウムリアクターが上手く使えず数個体のサンゴの調子が悪くなって、立て直し中。6年も同じリアクターを使っているのに未だに使いこなせません。
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ウスエダとか調子悪いです。



そんなことより、今回はサンゴ飼育において非常にためになる記事をみつけたので紹介します。

詳細は下記URLより。

タイトルはずばり「造礁サンゴの栄養塩利用と生体生理学的影響」です。

小難しい内容でしたが、サンゴ飼育においてかなり核心をついたものなので、サンゴ飼ってる人は一読に値すると思います。

が、ちょっと長いので独断と偏見を交えてまとめてみます。

でははじめまーす。

ここからはあくまで個人的な見解です。これ系の日記には毎回書いてる気がしますが、記事と違う箇所や間違いがあると思いますので、鵜呑みにはしないでくださいね笑

珊瑚礁の海って透明のイメージですよね、これは言い換えると栄養塩が少な過ぎて植物プランクトン(エネルギー生産者)が繁殖できないからということだそうです。にもかかわらず、サンゴ礁は海洋生態系の中で最もエネルギー生産量が多いと。じゃあ一体誰がエネルギーを作っているのか。この答えはいまだ謎なんだそうです。
サンゴ礁なんだから1番たくさん住んでいる生産者らしき生き物は、そりゃあサンゴしか考えられないっしょ!!ってのがこのお話のそもそもの仮定の部分です。ちなみにエネルギー生産量=栄養塩吸収量です。たぶん。
アクアリウム界では一昔前まで、サンゴの天敵は栄養塩みたいな風潮があり、世間一般では未だに綺麗な海にしか住めない生き物で、海が汚れたせいで絶滅に追いやられているみたいに言われている印象を受けます。
しかし、この記事を読む限り、栄養のないスカスカな海で、サンゴは他の生き物をさし置きいかにして素早く効率的に栄養塩を獲得するため進化してきた動物であるかが読み取ります。


こんな感じで、世界の海の栄養塩のデータなんかとともに詳しく書かれていますが、手っ取り早くアクアに応用できそうな部分だけ箇条書きにしてみると。


・いくら栄養塩を欲しがっているとはいえ、水中のリン酸濃度0.5ppmを超えるあたりからは逆効果。どんな生き物でもそうですが、限度ってものがあります。
逆に言えば栄養塩が増えないのであればどんどん魚を追加して、餌をばらまいて(●`・ω・)ゞ<ok!。

・窒素:リンが16:1(レッドフィールド比)の時に最も効率よく栄養塩が吸収できるそうなので水槽でも調整するとよさそう。ちょっと面倒ですが。
・サンゴの栄養塩吸収先は、プランクトンでも、アンモニアでも硝酸塩でもアミノ酸でも、はたまた尿素でもよく、臨機応変に対応可能。この辺が栄養塩スカスカの海で生きぬく秘策なんですね。

・栄養塩が増えるとサンゴの石灰化が阻害されると言われていますが、ありえない極端な高栄養塩下での実験結果のようで、そもそもサンゴが弱っただけなのでは?一般的な飼育水(リン酸値にして0.1ppm以下)では問題なし。ただしリン酸0.5ppmあたりになると成長速度は速くなるものの、骨密度は低下するらしいので、このへんの飼育水の調整は色揚げとの兼ね合いもありますのでお好みで、ということになりますね。



最後に、こんな過疎ブログをもし読んでくれた方の中に、飼育を始めたばっかりの方がいたら、ぜひ理解しておいてほしい最も基本的な考え方を、へたくそな絵ですが描いてみたので参考までに貼っておきます。なぜわざわざ図を描いてまで説明するのかというと、基本中の基本なのにもかかわらず、恥ずかしながら僕自身ごく最近までまったく考えてなかったことなんです笑
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↑Aのケース、Bのケースどちらのもリン酸ゼロです。吸収スピードの話はおいといて(僕もわかりません)どれだけ水槽に栄養塩のもととなる餌を投入しようが、魚やサンゴに吸収されれば当然検出されません。検出されるのは吸収されなかった余りものの栄養塩なのです。吸収された分を把握するにはサンゴの状態を観察するしかありません。そして、サンゴの吸収量は今回紹介した記事の通リ、僕がサンゴ飼育を始める前に想像していたよりかなり多い印象でした。この辺は人によってイメージが違うと思うので上手く文章にはできませんが、サンゴってポリプを開いたり閉じたり、危険を感じると結構素早く動いたり、絶えずミューカスを出して自身の体を洗い流したりしているので、意外にエネルギーを多く消費する生き物なのかも。
なんか取り留めのない文章になってしまいましたが、参考にしてもらえたら嬉しいなーと思います。

と、いろいろ考えて文章にしてみると疑問が出てくる出てくる。

世の中にはベルリンシステム、モナコシステム。。。とたくさんのなんとかシステムがありますが、その多くは栄養塩処理に重点を置いたのシステムですよね。あ、トリトンシステムは消費された元素を正確に補うためのものであり、栄養塩処理の見地ではちょっと特殊なカンジですね。話がそれましたが、そもそも栄養塩処理って必要なの?元気なサンゴ入れとけばそれで済む話じゃないの?バクテリアって必要なの?元気なサンゴ入れとけば済む話じゃないの?補助的に小さいスキマーの1つもあればもう十分水槽は成り立つんじゃないの?うーん、この先は謎です。未来のサンゴ飼育ってどう進化するんでしょうね。楽しみです。


出典:kaiyo-gakkai.jp/jos/uminokenkyu/vol21/21-4/21-4-tanaka.pdf